〈倶子オフィス〉わたしの出逢ったいのちたち:蜘蛛 Web or Lace
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June
生きているものはみな勤勉だけど、蜘蛛だってそうです。ひと糸ひと糸 レースを編んで、
あるいは畳み、さらに編んで、じっと待ちます。待ちつづけるのは獲物ばかりではありません。
恋人をもまた。
あれはいつだったか……烏瓜カラスウリの〈れえす〉
のようなそれをみたことがありました。
わたしたちは彼らを知らなすぎるのでは、と。
October
June
マルゴミグモ
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〈哀しい蜘蛛たち 1〉
わたしが行こうとしている家の前にこのクモはいました。こんな巨きなクモを見たのは
初めてです。そのとき、彼らが何をしているのかまるでわかりませんでした。
調べてみましたら;近づいてきたのはベッコウバチ。クモを専門にハンティングする蜂。
クモを見つけると巣から落下させて針をさし……でも殺してしまうのではなく、仮死状態に。
巣穴に運んで産卵し、幼虫の餌にする。仮死状態にすることで鮮度を保つのだそうです。
そのとき、みていたとき、クモは死んでいるのかしら?と。でもベッコウバチがクモに
触れたとき、クモの身体が微妙に動きました。運搬の途中だったのかもしれません。
ベッコウバチは側に人などがいると、餌をとられまいとして射すことがあるそうです。
射されなかったことにいまごろ感謝!
クモもまた生きるに大変! 例えばメジロなどの小鳥は、わざとクモの網に突っ込んで
網を身体に付着させて持ち帰り、巣づくりの苔などを固める材料にすることもあると。
その家から出てきたとき、もう二匹はみえませんでした。June. Okayama
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〈哀しい蜘蛛たち 2〉
■カバキコマチグモ(樺黄小町蜘蛛):日本全土、3〜8月。
体長10〜15mm(雌>雄) カバキの名前は、オレンジ色の体色に由来。
ススキなどの葉をちまきのように巻いて営巣。普段は巣の中に潜み(網は張らない)、
巣の近くを通る昆虫などを捕らえて生活。
夏の産卵期には100前後の卵を産みます。卵は10日ほどで孵化しますが、
生まれた子グモは1回目の脱皮がすむと、なんと母グモを食べてしまうのです。
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