船木倶子の詩〉

 

月のよる

 

 
ハナカマキリがぴんくの花でゆれる

カレハカマキリが

虫喰跡でねじれかげんで

すっかり枯葉をなりきるように

 

わたしも

だろうか

月の明るいよるに

おおかたを忘れてしまって擬態する

ひとりにむかう

それからうっすら

わたしを染める

 

  

 

                詩集「真夏の牡丹雪」

 

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